retouch標準シナリオ書式
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§操作
  プロジェクトエディタ
  演出エディタ(演出ビュー)

§解説
  RSD/RLD
  演出の再利用
  オブジェクトID一覧
  キャラの名前
  キャラ作成用画像
  キャラの表示位置
  選択アイテムの返値
  デバッグ手法
  描画フィルタ
  フォントの設定
  プロジェクト設定項目一覧
  ブロック
  ボリューム
  リソースIDとファイル
  レイヤー構造詳細
  レジスタの利用状況

§各種フォーマット
  色/RRGGBB形式
  標準シナリオ書式
  標準立ち位置指定
  標準透明度指定
  標準透明色指定
  標準補間指定
  標準条件判断書式
  標準「式」書式
  標準アニメシーケンス
   
■概要
実際に複雑な演出を行う前に、そのシーンのシナリオを使い慣れたテキストエディタで書いてしまうことは珍しくありません。
演出エディタは、複雑な演出を簡単に行えるよう設計されているため、単純なメッセージの入力の利便性は、ほとんど考慮されていません。そのため、キャラのメッセージのやりとりを演出エディタ上で記述すると、慣れたテキストエディタでの作業に比べて余計な苦労を背負うことになります。
sketchでは、retouch標準シナリオ書式と呼ばれる記述方法を用いて、シナリオの本文や演出のメモ、CGの表示やキャラの登場/退場等を記述できるようになっています。
制作の現場では、演出エディタ上で(修正は別にして)実際にメッセージを延々入力していく人は誰もいません。いや、ほんとに。
■演出エディタへの登録
retouch標準シナリオ書式で書かれたテキストファイルは、次の3つの方法でRSD(演出エディタのテキストデータ形式)化することができます。
1. 最初からノードに関連づけられたテキストとしてシナリオを記述する方法
  sketchをファイラー代わりに使用して、シナリオテキストを記述します。RSD化する前に1から作るときはこの方法が適しています。
ノードをSHIFT+左Wクリックすることで、キャプション名.txt というファイルを作成&開きます。
シナリオを書き終えたら、ノードの右クリックメニューから「シナリオテキストから演出ファイルを作成する」を実行すると、RSDが作られます。
2. シナリオが記述されたテキストファイルを、演出エディタの挿入したい部分にドロップする方法
  多めの文章を編集中のRSDに挿入するときに使われます。
3. シナリオが記述されたテキスト行をコピーして、演出エディタの挿入したい部分にペーストする方法
  少な目の文章を編集中のRSDに挿入するときに使います。クリップボードを経由するか、ファイルを経由するかの違いだけで、そのほかの処理は、2番と同様です。
■基本表記
通常のメッセージは、
真の名前.メッセージ
で記述します。「真の名前」と「メッセージ」の間にあるのは、半角ピリオドです。このため真の名前の中に半角ピリオドを使用することは出来ません。
このままだと、ゲーム中に名前表示領域があるときは、「真の名前」が表示されてしまいます。
場面によっては、真の名前ではなく、単に「女の子」とか「怪しい声」とか表記したい場合があります。そういう場合は――
表記名(真の名前).メッセージ
という表記法を使います。「表記名」が実際に表示される文字列で、続く全角括弧に囲まれた部分が、「真の名前」を表します。後は、先ほどと同様、半角ピリオドに続いて、実際に表示されるメッセージを記述します。
なお、メッセージ中の明示的な改行は、\nを記述することで行います。あくまでも1つのメッセージは1行に記述してください。
真の名前.メッセージ\nここは2行目。
retouchでは、ト書きもキャラクターの一人です。従ってト書き部分は、「記述」さんに語って頂きます。
記述.メッセージ
真の名前に「記述」を指定した場合、名前部分は出力されません。
最後にコメントの書き方を示します。コメントは行頭に半角のスラッシュ2つ(C++風)で表現します。
コメントは行単位で取り扱いますので、行の途中に書いてもコメントとは認識されません。ご注意ください。
// これがコメントになります。
コメントには、「台本に残すもの」と「台本には記載しないもの」の2種類があります。上記の通常のコメントは台本には記載されません。文字の読み方等、台本にコメントを残したい場合は、
//;これは台本に残るコメントです。
のように、半角のスラッシュ2個に続いて、半角のセミコロンを記述してください。これでこの行は台本に残されます。
 
■簡単なコマンド表記
sketchの元になっているretouchは、オブジェクト指向スタイルのスクリプトだったので、コマンドもオブジェクトを使った記法になっています。例えば520番のIDを持った画像の表示は、次のように記述します。
system.draw(520);
systemはシステムオブジェクトを意味しています。キャラ以外のオブジェクトに対するコマンドは大抵systemオブジェクトのメソッドとして実装されています。また、立ちキャラの登場は、次のように書きます。
キャラ名.enter(bodyID, faceID);
キャラ名とは、ide/config/def.characters.txt の、IDと真の名前の間ある文字列で、retouchではこれを、オブジェクト名(OBJ名)と呼びます。sketchでは、キャラを新規登録したとき入力を要求されます。sketch内では利用されませんが、テキストでシナリオを書くときに必要になります。
具体的に、miyuki が、bodyID:0 faceID:0で登場する場合は、
miyuki.enter(0, 0);
となるわけです。同様に退場は、
miyuki.leave();
と書きます。マーク程度にシナリオ中に入れておいて、sketchでの演出の足がかりにすると良いでしょう。
 
■終わりに
これ以外の記述は、当面全て直接コマンド(CMD_DIRECT)として取り扱われます。
このコマンドは、現在、RSD上には表示されますが、RLD上には出力されません。演出エディタに渡すメモのようなものと考えて構いません。
真の名前が、まだ定義されていないキャラクターの場合(そのキャラがdefChara.rsd で、CMD_CREATECHARACTERで登録されていない場合)、そのキャラのメッセージは、CMD_DIRECT扱いされますのでご注意ください。